・ハドルテストの結果、
LENNARTZ地震計が最もスペクトルの安定性、位相の一致性やコヒーレンスが良く、次いでMTKV地震計であり、PELS地震計は長周期成分側(低周波数領域)にばらつきが認められた。
・位相速度解析の結果、
各地震計の分散曲線の形状は地震計の種類には関係なく、ほぼ一致しており、求めた周波数範囲はLENNARTZ地震計が最も低い周波数まで伸びていた。
・作業性
ハドルテストにおける地震計の設置作業、操作性、本観測時の運搬、作業等に要した時間から判断して、LENNARTZ地震計、MTKV地震計が観測に適する地震計であると判断した。
・総合判定
以上の結果から、微動アレー調査において使用する地震計として、固有周期が5〜8秒の範囲であるならば、3種類の地震計の中ではLENNARTZ地震計が最も実用的であると判断した。
なお、固有周期の長い(例えば、10秒計)地震計ほど、地下深部の情報を捉えることができるが、取り扱いの難しさがあり、実用的ではない。また、深度2,000〜3,000mを対象とした調査では、これまでの結果から、8秒よりも短い固有周期で十分有効なデータが取得できている。