(1)机上計画

微動は、一般に時間的にも空間的にもランダムに発生するために、微動の到来方向を予測することは不可能である。しかし、微動がアレー内に時間的にも空間的にもランダムに存在する場合は、微動に含まれる表面波を分散の形で検出できるアルゴリズムが開発されている。そのアルゴリズムの要請する最適のアレイ形が円形アレイである。円形アレイのうち、最も基本的な形状は、図2−39に示すような二重正三角形である。二重正三角形の各頂点および重心の計7箇所(●印)に地震計を設置する配置パターンを計画した。

地震計の設置場所を具体的に決定するため、1/25,000の地形図および1/2,500の都市計画図等で各調査地点のアレーの中心点を選び、この点を中心とした同心円上に地震計が配置できるかどうかを検討した。すなわち、図面上で構造物や立入不可能な水域などの場所を避けるようにしながら二重正三角形の中心点を決定し、さらに中心点を軸として回転させ、二重三角形の各頂点(アレー半径の5%の距離を半径とした誤差円の範囲内)が裸地やアスファルト道路、コンクリート舗装であるような場所を選定した。表2−2にアレ−サイズを、表2−3に地震計設置番号と各アレーサイズの一覧を示す。