入力モデルは、まずは昨年度調査測線との交点で、速度と構造が同じになるように設定した。そして、構造を反射法から求まった深度断面図(図2−17−1,図2−17−2)を参照しながら決定し、速度のみを変えて行ってもっともモデルと観測値の走時のずれが少ないと思われるものを最終モデル(図2−24−1,図2−24−2 の上図)とした。
このモデルによるレイトレーシングの結果をに示す。
どちらのモデルも、各発震点直下で速度構造を与え、速度境界面は発震点間で直線内挿している。表層構造は、P波反射法地震探査で使用した速度と求まった深度を平滑化したものを入力している。(高々20m程度のため、この図では識別できない。)
下総層群に相当する堆積層の速度は、深度0mで1.6km/s、深度400〜500mの基底で1.7km/sとし、この間の速度は深度に比例して増加するように設定した。
上総層群に相当する堆積層の速度は、深度200〜400mで2.0km/s、基盤直上で2.2km/sになるようにし、間は線形に内挿した。
基盤岩の速度は、測線1では5.1〜5.2km/s程度、測線2では5.5km/sが最適であると判断された。この結果は、はぎとり法による解析結果と良く一致しており、測線1の基盤岩の速度としては5.2km/sを採用した。
レイトレーシングと実データの初動読み取り値の比較を図2−25−1,図2−25−2,図2−25−3,図2−25−4,図2−25−5,図2−25−6,図2−25−7に示す。この図は、屈折波強調処理後の記録と、10受振点ごとの初動読み取り値 ・レイトレーシングの結果求まった走時のグラフ、最下段にレイトレーシングのパスを並べて表示したものである。