3−2−1 解析結果

平成11年度は、No.25(SMU)およびNo.26(FNB)の2地点の追加観測と、No.1(TDL)、No.6(MKH)、No.10(YAG)、No.15(CNT)、No17(NGC)、No.21(KHK)およびNo.24(NDA)の7地点で大中小3セットアレーの観測を行った。9地点の解析は昨年度のNo.25(SMU) 地点の解析結果を参考として、初期モデル6層構造を出発点として行った。層数の検討については、位相速度曲線の変曲点から推定した値を参考とした。No.25(SMU)地点の逆解析結果と下総地殻活動観測井の既存試錐資料を比較・検討した結果、解析に供する1ブロックの長さによって最下層のS波速度が変わるような傾向が認められ、その主たる要因については現時点では全面的に解決されていない。このため最下層のS波速度を確定することが困難であるということから、大アレーに供する解析ブロック長として、1ブロック204.8秒および409.6秒の2通りで調整前の段階まで解析を行い、さらに調整を行って結果を求めた。この段階で得られた結果は、解析ブロック長204.8秒と409.6秒とで、求めた最下層のS波速度は、ほぼ同じ値であったり違う値であったりするなど安定した結果が得られなかった。このため、現時点では最終解に供する調整後の結果として、小、中アレーの解析ブロック長と同じである1ブロック長204.8秒で比較・検討を行うこととした。

逆解析では、位相速度曲線に最もフィッティングの良い曲線および層数を選び出し、これを最終解として求めた。解析した各層のS波速度および深度については項目の3.調査結果で前述したとおりである。ここで、参考値として解析1ブロック長204.8秒の結果について、最下層(基盤と推定される層)として求めた第5層または第6層の深度およびS波速度、また各地点の既存資料データ等を整理し以下にまとめて記す。