(1)追加観測地点(No.25(SMU);下総地殻活動観測井)

No.25(SMU)の下総地点は、平成10年度に観測を実施した地点ではあるが、基盤のS波速度を精度良く決定するための位相速度を得るには、アレー半径が小さかったのではないかという疑問が残っていた。このため、平成11年度の調査においてはさらに大きなアレー半径での追加観測を行い、基盤の深度およびS波速度をより精度良く決定する必要があった。

No.25(SMU)下総地点は、先新第三紀基盤まで到達している試錐地点であり、VSP調査や各種物理検層結果等の情報が得られている地点である。これら既存資料と微動アレー調査で得られた結果とを対比することにより調査手法の有効性、適用性を判断するのに適した地点である。図2−43に「千葉県地域における代表的な分散曲線と適切な観測アレー半径」を示す。No.25(SMU)下総地点では図2−43から、最大アレー半径2,000mの追加観測を実施することによって、周期7秒程度の微動を捉えることを着目点として観測を実施したものである。アレーの中心点は、昨年度と同様の地点である下総地殻活動観測井に置いた。