図2−86は千葉及び横浜の気圧変化である。 気圧は1月4日夜半より下降開始し、1月7日に最低を記録した。低気圧通過後の8日からは上昇に転じている。
下総の観測は、低気圧通過後の1月8日から10日の間に実施したが、図2−87の各日のパワ−スペクトルのピ−ク周期(約4秒)に着目して比較すると、
・ 9日は8日に比べ午前で1/2、午後で1/10程度に減衰している。
・ 10日には1/10から1/15程度に減衰している。
しかし10日でも短周期の波に比べ、ピ−ク周期(4秒)の波のパワ−は100〜1,000倍であり、このことが周期7秒前後まで求められた要因と考えられる。
図2−88に示した 観測微動の卓越周期は、4〜5秒程度で海洋波浪の周期約7〜10秒の1/2程度であった。一方、図2−89の 海洋波浪の波高は、外洋の漁港が大きく有義波で見ると、約1〜3m、東京湾内の千葉港が最も小さく約0.3〜0.8mとなっている。
今回は限られた期間での気象との関連を検討したが、より効果的な微動観測を行うためには、本地域における年間の海洋波浪・気象分析を通じて最適実施時期を検討することが必要と考える。