(4)再解析結果
この曲線それぞれについて周波数を変数とした空間自己相関係数の曲線に再検討を加え、周波数の減少とともに係数が減少する部分からの位相速度は消去し、また地下構造の不均質性を反映していると考えられる位相速度については、波長を考慮し、不均質性の判別困難との理由で単純な平均化(周波数範囲があまり広くならないように考慮した一種のスム−ジング)を施すなど、統合解析を行った。その結果が図2−80である。図に示すような滑らかな正分散が得られ、これよりたとえば周波数0.13Hz(周期7.7秒)では2.18km/secの位相速度が求められた。図2−81はこの再解析で得られた位相速度を用いてfGAによって求めたS波速度構造である。図2−82のような微調整(fGAの結果について、層厚及びS波速度を少しずつ変化させながら観測値に近づける作業)を経て、最下層のS波速度として、深度2,380mに2.95km/secのS波速度が求められた。このS波速度は、VSPの結果と調和的である。表2−12に推定された地下構造のパラメ−タを示す。