(3)屈折波静補正(Refraction Statics)

全ての現場原記録から初動走時を読みとり、その値から発震点・受振点・表層基底層速度を未知数とするインバージョン(改良タイムターム法)を行い、表層の構造を求めた。この結果を 図2−31(P波処理)・図2−32(S波処理)に示した。図の上段はタイムターム値と呼ばれる値を示し、中段は得られた表層と基底層の速度、下段は得られた表層構造であり、青が発震点、赤が受振点の値を示す。横軸は重合測線のCDP番号である。

表層第一層の速度(V1)はタイムターム法でからは求めることができず、現場記録の初動を参照して推定する。

表層基底層(第二層)の速度(V2)はタイムターム法により比較的正確に求まる。

最終的なV1とV2の値は下記のとおりである。

V1

V2

第一層の厚さ

P波処理

500m/s

1630−1720m/s

9−13m

S波処理

150m/s

320− 460m/s

9−15m

この結果は、表層第一層の厚さの変化および標高変化に対する走時変化の補正(屈折波静補正)のデータとして用いた。