1−7−4 微動アレー調査

* 下総地点では、SPAC法によって最下層として深度1,520mに2.0km/sのS波速度を、F−K法によって最下層として深度1,400mに2.35km/sのS波速度を推定することができた。

* 船橋地点では再解析の結果、SPAC法によって最下層として深度2,380mに2.95km/sのS波速度が求められた。

* 微動アレ−調査の手法としては、SPAC法とF−K法の位相速度の周波数範囲・ばらつきを比較した結果、SPAC法の方が優れていることが判明した。

* 微動アレ−調査で用いる地震計として、固有周期5〜8秒の範囲であるならばレナーツが最適であることが判った。地震計の選定とは別に、微動のパワーとアレーサイズにも注意する必要がある。

* 下総地点及び船橋地点の初期解析結果に現れた長周期側の「拝み」の現象(位相速度曲線上で、ある周波数領域において位相速度が長周期側に低下するような現象)については、低周波数領域での位相速度推定法によるものなのか、アレー直下の深部構造の影響を反映しているものなのか、今後の検討課題の一つである。

* 気圧変化とその影響による波浪変化と微動の卓越周期およびパワ−に関係が見いだせる。しかし、今回は少ないデ−タでのため年間を通じた気象と微動の関連を分析して、最適観測時期を選定する必要がある。