1−7−3 屈折法地震探査

* バイブロサイス4台を震源とする夜間の屈折法発震により、基盤の屈折波が確認された。屈折波の最大到達距離は、約22kmであった。

* 屈折法の解析により、下総層群・上総層群(三浦層群を含む)・基盤岩それぞれの構造と速度を推定することができた。しかし、上総層群と三浦層群の境界の屈折波は確認できなかった。

* レイトレーシングで求まった下総層群のP波速度は、場所によらず1.65〜1.70km/s程度である。上総層群および三浦層群の速度は、測線南端(S1付近)で2.05〜2.30km、測線北端で1.95〜2.00km/sと南側ほど速くなっている傾向が見られる。

* 屈折法の解析から求まった基盤岩のP波速度は約5.7km/sである。これは過去に調査地域周辺で実施された屈折法地震探査の結果(5.5〜5.9km/s)と矛盾しないが、調査地域中央に位置する防災科学技術研究所の下総地殻活動観測井で過去に実施されたVSP調査や同観測井での音波検層の結果(約5.1km/s)と比べると速い値を示している。

* 基盤上面に速度約2.8km/sの薄層(層厚50m以下)の存在が推定される。これは、三浦層群の最下部に対比されると考えられるが、今後の検討が必要である。