2−7  あとがき

現時点において最も優れたといえる地下構造モデルを作成することができた。地下構造モデルと観測地震動の卓越周期はほぼ一致し、中小地震による速度波形も概ね説明できるモデルとなっている。しかし、濃尾平野から伝播してくる地震のシミュレーション結果には問題点も残っている。

これらの問題を解決するためには、本調査結果や濃尾平野地下構造調査結果だけでなく、平成14年度から平成16年度まで実施されている三重県地下構造調査結果も取り入れ、中部圏全域の地下構造モデルを作成し、地震波動場を検討する必要がある。また、検討の結果、地震波動場の解明のためにデータが少ない地域においては、物理探査などの調査を今後行う必要がある。