図4−3−2−1, 図4−3−2−2には、岡崎平野および豊橋平野における物理探査結果とH/Vスペクトルを用いたチューニング結果の比較図を示す。
岡崎平野においては、H15年度測線の12107Aを除いて、既往の物理探査結果とH/Vスペクトルによるチューニング結果が良く対応している。12107A付近の残差重力分布(図3−1−3)を見ると、12107A付近にはやや小規模な尾根が見られる。コンターも密になっており基盤震度が急変している可能性も考えられる。
豊橋平野においては、H14年度結果と地震基盤深度の対応がよくない。反射法地震探査の結果における地震基盤の反射面が明瞭でなく、地震基盤深度の信頼性は低いと考えられる。
また、強震観測点SWDEIHにおける基盤深度は400m程度であり、微動アレイ探査再解析結果のT−2では深度320m程度、同じくTYH03では500m程度である。H15年度の反射法地震探査の結果を見ると、上記のような狭い範囲でも基盤深度が急激に変化している可能性がある。しかし、強震観測点SWDEIHはあまりピーク周期が明瞭でない(図4−2−2−9)。微動アレイのTYH03でも位相速度分散曲線が途切れている(図3−4−11)。また、H14年度の反射法データにおいても基盤深度が明瞭でない(図4−3−2−2)など、地震基盤深度を精度良く決定するデータが少なく、今後の課題である。