平成15年度に実施された反射法地震探査近傍で実施されている3点の微動アレイ探査(TYH06、TYH07、TYH10)において地震基盤面に対応する往復走時を読み取った(図3−4−12)。一方でTYH06、TYH07、TYH10においてS波速度構造を求めた(図3−4−13−1, 図3−4−13−2, 図3−4−13−3)。求めたS波速度から、先に読み取った反射法探査のP波の往復走時を満足するように、下記の豊橋平野におけるP波速度とS波速度の関係式をシフトさせてP波速度を設定した。
Vp = (Vs + 0.550 + k) / 0.574 (Vp < 3km/s)
Vp = (Vs + 1.090 + k) / 0.780 (Vp ≧ 3km/s)
※ k:回帰式をシフトさせた量
上記結果をPS検層に基づくP波速度とS波速度の比較図に重ねてプロットした(図3−4−14)。図3−4−14より微動アレイ探査結果と反射法探査の往復走時を満足するように求めたP波速度とS波速度の関係は、PS検層に基づくP波速度とS波速度の関係のばらつきから大きく外れるものではないことがわかる。
微動アレイ探査結果と平成15年度反射法探査結果とはデータの整合が取れることを確認できたので、平成15年度反射法探査測線から離れた地点に関してS波速度構造を求め(図3−4−15−1, 図3−4−15−2, 図3−4−15−3, 図3−4−15−4, 図3−4−15−5, 図3−4−15−6, 図3−4−15−7, 図3−4−15−8, 図3−4−15−9, 図3−4−15−10)、残差重力値と比較した(図3−4−16)。図3−4−16より求めた地震基盤の上面深度と重力値とは概ね傾向が一致している。
以上の結果より、豊橋平野における微動アレイ探査、反射法探査、重力データは互いに整合することを確認できた。