本調査は、平成１３年度〜平成１５年度の３年間に岡崎平野および豊橋平野において実施されたＰ波およびＳ波反射法地震探査、屈折法地震探査に引き続き、岡崎平野においてＰ波および屈折法地震探査を実施し、その成果と既存資料に基づいて、愛知県内の地震動予測に必要な三河地域堆積平野の地下構造モデルの作成を行い、地震防災対策の基礎資料を得ることを目的として行われた。

地震探査では、当該地域の深部基盤岩の構造形態を確認するための手法として、岡崎平野において大型のバイブレータ１〜２台を震源とする反射法地震探査を、深部基盤岩のＰ波速度を求める手法として、岡崎平野において大型のバイブレータ２〜３台を震源とする屈折法地震探査を実施した。

総合解析では、基盤岩およびその上位の堆積層各層が西に深く東に浅いという岡崎平野の特徴や、基盤岩がすり鉢状に窪んだ豊橋平野の特徴を示す３次元地下構造モデルが得られた。今後は、本モデルを使った地震動のシミュレーションによって断層や盆地構造などの構造変化による地震動への影響等について検討し、防災計画、建築物の耐震化等、地震防災対策の基礎資料として活用していく予定である。

調査の実施にあたっては、「三河地域堆積平野地下構造調査委員会」を設置し、調査計画、調査結果の評価等において、専門的・技術的指導および助言を受けた。