４−２　［豊橋平野］
本年度実施した豊橋平野を東西方向に横断するＰ波反射・屈折法地震探査から、豊橋平野中央部では、地震基盤上面が１５００ｍ程度まで深くなっていることが明らかになった。この形状は、重力のフォワードモデリングからも説明することが出来る。また、１次元重複反射理論に基づく増幅特性を用いると地震基盤は１０００ｍを超えるほうが数百メートル以下の場合より鳥取地震（２０００／１０／０６）の増幅特性をよりよく説明することが示された。得られた３次元速度構造モデルを用いて平野近傍で起こった中小規模の地震に対して実施した地震動シミュレーション結果は、実データをある程度再現することが出来る。しかしながら、昨年度実施した豊橋平野中央部の南北方向の構造は、基盤深度数百メートルという仮定で実施した反射・屈折法データの一部を用いて推定しているため、不確定要素が含まれる。今後は、適切な地震を用いて各観測点における地下構造モデルの検証・修正を行うと共に、この基盤構造の急激な変化が地震動に与える影響などについて検討をすることが重要課題である。