3−4−4 3次元波形シミュレーションによる検証

近年のコンピューターの進歩により、空間3次元に対する弾性波動方程式を直接解くことが現実的になりつつある。ここでは、点震源+3次元構造(波動場3次元、構造3次元)を差分法により、対象地域および有効周波数を制限して計算を行う。

3次元速度構造モデルとしては、岡崎平野と豊橋平野を含む領域、東西約73km、南北約44km、深さ50kmを設定する。この領域における3次元波動場計算を行い、帯域通過フィルター処理後の実記録波形との比較を行う。これまでの解析から、当該地域の堆積盆地の基盤形状が地震動に影響を及ぼすのは、周期1〜5秒未満と想定される。また、これまでの地下構造調査では表層地盤の不均質性の把握については十分でないことから、現状では周期1秒程度以下の周期の波形を再現するのは困難であると考ええられる。今回、波形計算の有効周波数は1秒程度が下限となるようにメッシュサイズを設定する。