3−2−4 豊橋平野における重力異常値と基盤深度の関係
図3−2−11には豊橋平野におけるブーゲー異常値と基盤深度の関係を示した。豊橋平野においても南北方向の平成14年度反射法測線および東西方向の平成15年度反射法測線では、重力異常と基盤深度の関係が大きく異なっている。3.1.2式で述べた方法で、ブーゲー平板近似を用いて、各測線でのΔρを計算すると、それぞれ0.18(平成14年度測線)および0.46(平成15年度測線)となる。この結果を用いるとH14測線では、堆積層の密度は2.47となってしまう。豊橋平野においては、平野を取り巻く基盤の重力異常値に大きな変化は無く、この地域での基盤の重力異常値のトレンドはほぼフラットであると推定されるため、岡崎平野のように基盤重力異常トレンドの影響は小さいと考えられる。南北測線は中央構造線と交差している可能性があり、また、反射・屈折法の結果から推定すると、基盤の上面は傾斜角20°前後で傾斜している。このような状況においては、全測線に亘って、ブーゲー平板近似に基づいた基盤深度と重力異常値の関係の抽出は困難であると考えるのが妥当である。一方、東西方向の平成15年度反射法測線では、測線の東側で基盤が急激に変化しており、西側では、重力異常値に横方向の影響が含まれている可能性があるが、それ以外の地域では、基盤上面の変化もあまり大きくなく、断層などの大きな構造変化はない。また、Δρも0.46と妥当な値を示している。