A)基盤到達井、反射法地震探査、微動アレイ探査(図3−1−20−1)
b)残差重力(図3−1−20−2)
a)では既存点で得られたデータを曲率最小アルゴリズムをもとにした補間方法(Smith・Wessel, 1990)を用いて緯度・経度に沿って0.005度×0.005度にメッシュ展開した後、100m毎の等高線を引いた結果である。先新第三系の基盤岩が地表に露出している部分は0mとした。岡崎平野北部については、西落ちおよび北落ちの基盤構造が推定されており、全体の傾向は、重力データと整合している。岡崎平野南部については、コントロールポイントが無いため、重力データとの整合は悪い。B)は、約0.5kmメッシュで得られた重力異常値を3.1.3式を用いて基盤深度に変換し、0.005度×0.005度にメッシュ展開した後、100m毎の等高線を引いた結果である。参考のため基盤到達井、反射法地震探査、微動アレイ探査の既存点の位置も示してある。図3−1−20−2は、残差重力からの計算結果であるため、基盤深度が既知の点において推定値との誤差が生じる。この矛盾を解消するために、図3−1−15−2に示した既存地点における重力による推定基盤深度(推定値)と既存値との差を以下の式で計算し、その分布を求めた(図3−1−20−3)。この結果を3.1.3式で重力異常値から推定された基盤深度構造図に加えた結果を図3−1−20−4に示した。既存値としては、基盤が地表に露出している部分も加えた。
誤差=既存値−推定値 (3.1.4)
これによって、コントロールポイントでの基盤深度は変えずに、コントロールポイントの無い部分では重力による推定基盤深度を反映させた結果が得られた。この方法により、既存資料の少ない岡崎平野南部での基盤深度の推定が可能となった。