総受振点数 総発振点数
P波反射法 801 309
データ取得作業は、平成15年11月14日に作業場事務所を設営し、関係先挨拶、資機材搬入等の諸準備から作業を開始した。
市街地での調査のため、関係先への説明、地域住民への周知徹底のためのチラシ配布等の調査前準備が調査測線近傍全区間にわたってなされ、また、実発振作業時にもできうる限り各戸訪問説明等を行った。その結果、多くの方々は調査の趣旨を理解され、比較的協力的であった。
P波反射法の測線では都市部であるため道路は舗装されており、受振器は極力植込みや道路横の露出地面に設置したが、利用できない場合はアスファルト上にアルミ製受振器スタンドを使用して設置した。受振点位置が交差点や三叉路の中にあたる場合は、正規間隔で設置せず受振点位置を近くの歩道側にずらした。また、交差点・三叉路付近、停留所・商店出入り口等で歩行の邪魔となるところでは、受振器を固めて隣接して設置する「バンチング」を併用した。
調査測線と交差する道路が多数あり、特に交通量の多い幹線道路での本線ケーブルの道路横断には、信号柱を用い高架渡しを行った。高架渡しを行ったのは4ヶ所である。この他の交差点では、道路地下の水路等を通すか、ケーブルをゴム製のカバーで覆って道路面を横断した。
発振作業に当たっては、発振点毎の騒音・振動の様子を確認しながら、適宜
・スイープ数
・出力レベル
・バイブレータ車の台数
の調整等を行った。
原則として3台稼働、5回スタック/点を基準としたが、各発振点の状況に応じ臨機応変に対処した。バイブレータ発振出力についても状況に応じ、最大出力の30〜90%に変えて行った。また、現地状況の許す限りスタック回数およびバイブレータ発振出力を上げ記録の質の向上に努めた。
現地調査の作業状況については、付録1の現場写真集を参照されたい。
図2−1−4−1、図2−1−4−2、図2−1−4−3、図2−1−4−4、図2−1−4−5、図2−1−4−6、図2−1−4−7、図2−1−4−8にP波反射法の現場記録例を示した。各図は、1発振点に対して、地表の240〜300受振点で観測した記録であり、横軸は受振点の番号、縦軸は時間となっている。参考のために各図の上部に測線図も同時に添付した。民家や店舗等が密集して発振出力レベルを弱くせざるを得ない発振点が続く、発振点間隔が荒くなるといった場合には、発振出力レベルを上げ、スイープ回数を多く取れるような発振点を受振測線近傍で探しオフセット発振を行なった。そのような場合発振受振点と発振点位置が異なることになり、受振点の近傍で発振した場合と区別するために発振点番号に1000を足して発振点番号とした (例えば図2−1−4−6)。これらの記録から以下のことが言える。
測線の東端は交通量が多いため記録の質はあまりよくない。特に、吉良町の発振記録は、初動の到達距離も約2kmと短い(図2−1−4−1)。西尾市内では、民家や店舗が少なく、ほとんどの発振点で出力レベルを最大にして発振することができた。基盤からと考えられる反射は0.2〜0.6秒付近に明瞭に得られている(図2−1−4−2、図2−1−4−3、図2−1−4−4)。碧南市では民家・店舗等多く、また車道が狭いことから中央分離帯内1台発振が多かった。この場合、発振出力レベルも50%程度まで下げて発振を行った(図2−1−4−5)。この図には、0.4秒付近に明瞭な反射が得られているが、基盤からの反射は0.6〜0.8秒付近にわずかに確認できる程度である。測線西側の半田市では、半田埠頭や測線西端で最大出力レベル、3台で発振を行う事ができ、良好な記録が得られた(図2−1−4−6、図2−1−4−8)。基盤からの反射も0.8〜1.1秒付近に明瞭に確認できる。半田市市街地では、交通量が多く、2台での発振となったが良好な記録が得られ、基盤からの反射も確認できる(図2−1−4−7)。
反射法データ取得作業の結果、次の成果物が得られた。
@現場磁気テープ(3490E Cartridge Tape., SEGYフォーマット) 2巻
A同上データシート(Observers Report) 1式
B現場モニター記録 1式
C発振点・受振点座標/標高値 1式