2回目の速度解析の結果例を付図5−8−1、付図5−8−2、付図5−8−3、付図5−8−4、付図5−8−5、付図5−8−6、付図5−8−7に示す。速度解析においては、基盤と考えられる反射面(図中の赤印)以深には有意な反射面は見られず、基盤以深の区間速度を推定することはできない。また、基盤上部の区間速度は約5km程度が想定されるが、このような速度を仮定して重合速度を求めると、基盤付近で重合速度が急激に速くなるため、この重合速度をそのまま用いた重合では基盤付近で効果的な重合ができなくなる恐れがある。これらを考慮して、基盤以深の区間速度は実際の区間速度よりも遅い速度を仮定し、重合速度を推定した。総合解析を行なうためには地下構造を何らかの層分けをする必要がある。そのため速度解析時には以下の点に留意して層分けを行った。
・ 速度解析を実施する反射イベントは、重合記録において、比較的連続性が良く、全測線で追跡可能な反射面に対応すること。
・ 速度解析パネルで強振幅を示すイベント(このイベントの上下の音響インピーダンスに大きな差があり、地層境界の可能性が高い)が測線方向に連続して読み取れること。
最終的に堆積層を4層モデルとした。図中には、反射法による速度境界面に対応する点に色をつけて示した。ただし測線南側(CDP100〜900)では基盤上面に対応する明瞭な反射が得られていない。この部分の速度解析は不確定要素が大きい。付表5−2−1、付表5−2−2は、基盤上面までの速度解析結果を表にまとめたものを示した。