[岡崎平野]
本年度行われた反射法地震探査によって岡崎平野中央部の基盤構造が明らかになった。しかし、これまで得られた情報全てを総合しても、地震動シミュレーションに必要な精密で平野全体をカバーする堆積層中の速度構造を得るまでには至っていない。岡崎平野全域における地震動を推定するためには、知多半島部分と平野南部の三次元的な地下構造把握の高精度化を図る必要がある。さらに、得られた情報を総合し、地震動シミュレーションによって、断層や盆地構造などの構造変化による地震動への影響について検討をすることが今後の最重要課題である。そのためには、従来の地下構造調査に加えて、新たに知多半島および岡崎平野南部を東西に横断するような地下構造調査を実施することが望まれる。
[豊橋平野]
本年度実施した、豊橋平野中央部を南北に横断するP波反射法地震探査結果からは、この地域の、基盤震度が予想以上に深く、また、急激に変化している可能性が多いため、全測線に亘って地震動シミュレーションに必要な基盤構造を推定することは出来なかった。今後は、豊橋平野を東西方向に横断し、本年度調査測線と交差するような地下構造調査(図3−2−9−6)を実施し、本年度調査で得られなかった豊橋平野南部における基盤構造を明らかにし、地震動シミュレーションによって、基盤構造の急激な変化などが地震動に与える影響などについて検討をすることが重要課題である。