3−2−5 豊橋平野堆積層中のVpおよびVsの関係 

今年度実施したP波およびS波反射法地震探査によって得られたVpおよびVsの関係を調べた。図3−2−10は上記のP波およびS波反射法の結果から得られたVpとVsをクロスプロットした結果である。参考までに防災科学技術研究所の豊橋の観測井で得られたPS検層の結果を併せて示した。反射法の結果を用いると、VpとVsの関係は、Vsが約300m/s以上においては

Vs=0.574Vp−550             (3.2.1)

の線型関係式で近似できる。ただし、以下の条件が必要である:

・ Vsが300m/sec以上であること。

・ 推定されたVsは±100m/sec程度の推定誤差が含まれる(図3−2−10)。

図3−2−11にはこの関係式を用いてP波速度からS波速度を推定した結果を示した。前述のように3.2.1式を用いてVpから計算されるVsは実測値に対して±100m/sec程度のばらつきを有しているため、S波速度については推定範囲を示した。ただし、CDP1〜1050付近の深度200m以深の構造については、現在のデータからは決定することが困難なため推定していない。基盤のP波速度については、屈折法の結果(5.0km/sec)を示した。S波速度については豊橋観測井では明確な基盤のS波速度が得られていないため、濃尾平野の平均的な値(3km/sec)を用いた。