・ S波探査では深度200mまでの明瞭な反射面が捉えられたが反射法/屈折法(モデルT)の結果から深度700mを超えると予想される基盤からの反射波は不明瞭である(図3−2−8)。
・ 深度200mまでのS波深度記録とP波深度記録との反射波の対応は比較的良い。
・ S波速度は0.35〜0.8km/secを示す(図3−2−7)。
・ S波反射法速度解析の結果を、同測線近傍でのP波速度解析結果とともに示す(D層についてはE層上面の反射面が不明瞭なため不確定要素を含む)。
図3−2−9−1にはP波およびS波反射法から得られた速度とCDP700付近で取得された微動アレイ探査T−2地点の結果、測線の南側約10kmにある防災科学技術研究所によるKik−Netの豊橋観測井で得られたPS検層による結果を併せて示した。これらから、以下のことが判る。
・ Kik−NetのPS検層の結果は反射法測線からの距離が10km以上あるので厳密な比較には無理があるが、S波測線の結果と比較的良く一致している。ただし、P波速度については反射法の結果がPS検層による結果より若干速く推定されている。これは豊橋平野と渥美半島では堆積環境が異なるなどの理由が考えれらる。
・ 測線近傍(距離1km弱)で取得された微動アレイ探査T−2の解析結果は、基盤を200m程度と推定している。この推定結果は屈折法の結果(モデルT、基盤深度800m程度)と大きく異なっている。