A)基盤の形状など
反射法からは測線南側では基盤上面からの明瞭な反射波が得られなかった。測線北側(CDP1050小坂井町宿以北)では基盤上面は北に向かって上がっている。
B)堆積層の構造など
反射面はほぼ水平ないし、深部になるにつれてやや北上がりを示し、大きな構造変化は見られない。
速度解析の結果、基盤以浅の堆積層のP波速度は深度と共に漸増し、A層からC層の速度は1.6km/sec〜2.2km/secを示している。反射法速度解析で用いた層区分に従えば堆積層の特徴は以下の様にまとめることが出来る。
豊橋平野には基盤の深い部分(地表に露出していない部分)での温泉ボーリングなどの層序を特定できる情報が不充分である。従って、現時点では、上記の速度境界と地質構造の関係を推定することは困難である。また、測線上またはその近傍で得られている水井戸などの記載には、基盤岩の明確な記載がなされておらず、“岩盤”という表記のみである(豊橋市、1986)。これらは音響基盤ではなく、工学的基盤を示している可能性が考えられるが、平成13年度に収集されたデータのみでは音響基盤と工学的基盤を区別することは不可能である。
C)P波反射法測線中には、中央構造線が通過している可能性があるが、A層〜C層中には中央構造線の存在を示唆するような明瞭な構造変化は認められない。