3−1−7 岡崎平野基盤上面深度の推定 

以下のデータを用いて基盤深度を推定した。図3−1−15−1図3−1−15−2図3−1−15−3図3−1−15−4図3−1−15−5図3−1−15−6に推定された基盤深度コンターを示す。

a) 基盤到達井、反射法地震探査、微動アレイ探査(図3−1−15−1

b) 基盤到達井、反射法地震探査(図3−1−15−2

c) 重力異常値(図3−1−15−3

 a)およびb)では既存点で得られたデータを曲率最小アルゴリズムをもとにした補間方法(Smith・Wessel, 1990)を用いて緯度・経度に沿って0.005度×0.005度にメッシュ展開した後、200m毎の等高線を引いた結果である。(a)で用いた微動アレイデータは、本調査(平成13年度)によって取得解析された結果を用いた。 a),b)ともに先新第三系の基盤岩が地表に露出している部分は0mとした。a),b)共に、西落ちおよび北落ちの基盤構造が推定されており、全体の傾向は、重力データと整合している。微動アレイデータを用いるか否かによる基盤深度構造に大きな違いは見られず、微動アレイデータを用いた場合は局所的な構造(コンターの目玉)が若干目立つ程度である。知多半島部分についてはコントロ−ルポイントがないため、微動アレイデータの有無による違いはない。c)は、約0.5kmメッシュで得られた重力異常値を3.1.2式を用いて基盤深度に変換し、0.005度×0.005度にメッシュ展開した後、200m毎の等高線を引いた結果である。参考のため基盤到達井、反射法地震探査、微動アレイ探査の既存点の位置も示してある。図3−1−14−3に示したとおり、基盤深度の浅い部分で既存データとの差が大きい、また、基盤が地表に露出している部分でも推定深度が200m程度になっている。これらの矛盾を解消するために、図3−1−15−3に示した既存地点における重力による推定基盤深度(推定値)と既存値との差を以下の式で計算し、その分布を求めた(図3−1−15−4)結果を3.1.2式で重力異常値から推定された基盤深度構造図に加えた結果を図3−1−15−5に示した。既存値としては、基盤が地表に露出している部分も加えた。

誤差=既存値−推定値          (3.1.3)

これによって、コントロールポイントでの基盤深度は変えずに、コントロールポイントの無い部分では重力による推定基盤深度を反映させた結果が得られた。図3−1−15−6には既存資料と重力データを用いた基盤上面推定構造図と平成13年度に重力解析によって得られた基盤上面推定構造図を示した。両者は全体の傾向は似ているが、既存資料と重力データを用いた結果(@)は、重力解析によって得られた結果(A)に比べ細かい変化が表現されていない。しかしながら、Aの結果は、基盤が露出している部分でのコントロールが充分ではなく誤差が大きい。