3−1−6 岡崎平野における重力と基盤深度の関係

重力異常は広域の基盤構造の大略を知るのに用いられることが多い。ここでは、以下の2方法によって重力と基盤深度の関係を調べた:

a) ブーゲー異常と基盤深度の関係

図3−1−14−2には図3−1−14−1に示した解析領域内において、既存資料および反射法記録から推定された基盤深度とブーゲー異常値のクロスプロットを示した。ブーゲー異常値は平成13年度三河地域堆積平野地下構造調査の結果(愛知県,2002b)のブーゲー補正密度2.0g/ccのものを用いた。重力異常値と基盤深度との間には全体としては比較的よい線形関係が認められる。図3−1−14−2には反射法の結果を用いて求めた重力異常値と基盤深度の近似式:

基盤深度(m)=重力異常値(mgal)×(−17.708)+782.5      (3.1.2)

を併せて示してある。図3−1−14−3には3.1.2式を用いて推定した基盤深度(推定値)と反射法および既存資料から得られた基盤深度(実測値)のクロスプロットを示した。これらから、3.1.2式を用いて推定される基盤深度は実測値と比較的良く一致するが、基盤深度の浅い部分では一致しておらず、測線近傍においても温泉ボーリング、微動アレイなどとは誤差が最大200m程度に及ぶことがある。

B) 残差重力値と基盤深度の関係

図3−1−14−4には平成13年度の調査で得られた残差重力値と基盤深度の関係を示した。岡崎平野においては、残差重力値と基盤深度は重力異常値と基盤深度の関係ほど線形関係が成り立たないことが判る。

以上の結果から、基盤深度の推定には残差重力値ではなく重力異常値を用いることとした。