反射法による速度構造から得られる分散曲線を1地点のデータとして扱い、O−6地点の微動測定による分散曲線と合わせた2地点の分散曲線を用いて、反射の構造を重視するようにウェイトをかけた多地点同時解析を行った。
インバージョンに用いたパラメータは以下の通り:
この結果は図3−1−10に示すように、基盤より浅い部分については、非常に安定した構造が得られている。また、基盤深度は若干ばらついている(780−840m)ものの、反射法データによる拘束を受けて基盤付近の速度構造も反射法データと大きな矛盾の無いものとなっており、既存データを統合させて微動アレイ解析を行う際の有効な手法であると考えられる。以上をまとめると、今後、微動アレイ解析結果の精度向上と有効利用のためには、反射法、ボーリングデータなどの情報を積極的に利用して、
@ 層数を比較的多くしたモデルで粗解析を行い、
A @の結果と既存情報(坑井データ、反射法結果など)を参考に必要な層数を減らし、微動アレイと既存情報の層の対比を行った後に、
B 既存情報による分散曲線を作成し、観測分散曲線とともにこの分散曲線も入力として、探索範囲をあまり狭めないで、多地点同時解析を実施する。
という手法が考えられる。