総受振点数 総発震点数
P波反射法 880 301
データ取得作業は、平成14年12月4日に作業場事務所を設営し、関係先挨拶、資機材搬入等の諸準備から作業を開始した。
市街地での調査のため、関係先への説明、地域住民への周知徹底のためのチラシ配布等の調査前準備が調査測線近傍全区間にわたってなされ、また、実発震作業時にもできうる限り各戸訪問説明等を行った。その結果、多くの方々は調査の趣旨を理解され、比較的協力的であった。
P波反射法の測線では都市部であるため道路は舗装されており、受振器は極力植込みや道路横の露出地面に設置したが、利用できない場合はアスファルト上にアルミ製受振器スタンドを使用して設置した。受振点位置が交差点や三叉路の中にあたる場合は、正規間隔で設置せず受振点位置を近くの歩道側にずらした。また、交差点・三叉路付近、停留所・商店出入り口等で歩行の邪魔となるところでは、受振器を固めて隣接して設置する「バンチング」を併用した。
調査測線と交差する道路が多数あり、特に交通量の多い幹線道路での本線ケーブルの道路横断には、信号柱を用い高架渡しを行った。高架渡しを行ったのは11ヶ所である。この他の交差点では、道路地下の水路等を通すか、ケーブルをゴム製のカバーで覆って道路面を横断した。
発震作業に当たっては、発震点毎の騒音・振動の様子を確認しながら、適宜
・スイープ数
・出力レベル
の調整等を行った。
原則として1台稼働、5回スタック/点を基準としたが、各発震点の状況に応じ臨機応変に対処した。バイブレータ発震出力についても状況に応じ、最大出力の30〜90%に変えて行った。また、現地状況の許す限りスタック回数およびバイブレータ発震出力を上げ記録の質の向上に努めた。
現地調査の作業状況については、付録1の現場写真集を参照されたい。
図2−1−14−1、図2−1−14−2、図2−1−14−3、図2−1−14−4、図2−1−14−5にP波反射法の現場記録例を示した。各図は、1発震点に対して、地表の160〜190受振点で観測した記録であり、横軸は受振点の番号、縦軸は時間となっている。参考のために各図の上部に測線図も同時に添付した。これらの記録から以下のことが言える。
測線南側の測線は交通量が多く、記録の質はあまりよくない。特に、豊橋市内での夜間発震記録は、初動の到達距離も短く(約1km)、基盤からと思われる反射は明瞭ではない(図2−1−14−1)。受振区間がノイズレベルの低い豊橋市大村町〜宝飯郡小坂井町に移ると初動の到達距離も長く(約2km)なる(図2−1−14−2、図2−1−14−3)が基盤からと考えられる反射は明瞭には確認できない。基盤からと考えられる反射は測線北側の発震記録の0.1〜0.2秒付近に得られている(図2−1−14−4、図2−1−14−5)。
反射法データ取得作業の結果、次の成果物が得られた。
@現場磁気テープ(1/2in.2400ft., SEGYフォーマット) 6巻
A同上データシート(Observers Report) 1式
B現場モニター記録 1式
C発震点・受振点座標/標高値 1式