6−1 差分法の計算手法

3次元有限差分法は、震源から地表までの地盤構造を3次元のセル(直方体)でモデル化し、震源から発した応力と粒子速度の伝播を理論的に計算するものである。計算の主な仕様を表6−2に示した。

地震基盤よりも浅い地下構造は、表6−3のように設定した。ここで、表層および海部弥富層は計算上の制約から単一の速度層とし、Vp=1.5km/s、Vs=0.5km/sと設定した。Q値については、P波もS波も同じとし、地震基盤以浅を100、地震基盤を300、深度3km以深を330とした。周期に対するQ値の近似は図6−1のとおりである。

また格子サイズは、水平方向、鉛直方向ともに200mで一定とした。

3次元有限差分法による計算用モデルの深度スライスの一例を図6−2−1図6−2−2図6−2−3に、東西断面の一例を図6−3に示した。

表6−2 3次元有限差分法計算の主な仕様

図6−1 周期に対するQ値の近似(Q=100の場合)

表6−3 地下の速度層構成

図6−2−1 3次元有限差分法計算モデルの深度スライスの例

図6−2−2 3次元有限差分法計算モデルの深度スライスの例

図6−2−3 3次元有限差分法計算モデルの深度スライスの例

図6−3 3次元有限差分法計算モデルの断面の一例

図6−4 検証に用いた地震観測点の分布