5−3−2 S波増幅度による修正

S波増幅度では、濃尾平野の端部付近に分布するGIF020、GIF022の2地点について、重複反射理論による1次固有周波数が観測記録による増幅度の1次ピークより高くなっている。これらの2地点付近には地下構造推定のためのデータがなく、表層の地質分布より推定され、先に設定した地下構造の地質境界面の確実性が低いと考えられる。また先に設定した地下構造モデルでは、これらの2地点の構造はいずれも地震基盤の上にほぼ単一とみなせる層が載っている構造となっている。

このため、観測記録と周波数が合わない地点に関して、S波増幅度の1次固有周波数が合うように、基盤の境界面深度を深く修正した。図5−3−2に各修正地点の修正前後の地盤モデルとS波増幅度を示した。修正により1次固有周波数および2次のピーク周波数の対応もよく、対象とする0.5〜5Hzにおいて改善されたことがわかる。

図5−3−2 各修正地点の修正前後の地盤モデルと増幅度