4−2−3 地質境界面分布

上記のようにして設定した、基盤岩類、中新統、東海層群、第四紀層の上面深度分布を図4−2−6−1図4−2−6−2図4−2−6−3図4−2−6−4 にそれぞれ示すとともに、以下にその概要を示す。また、中新統、東海層群及び第四紀層の層厚の分布を図4−2−7−1図4−2−7−2図4−2−7−3に示す。

@濃尾平野全体を概観した場合、基盤岩類およびその上位の堆積層である中新統、東海層群、第四紀層の上面深度は、養老山地に向かって南西に向かって深く北東に向かって浅い構造を呈している。

A基盤岩類の上面深度は、養老山地の東側、岐阜県海津町付近において最深部となり上面深度約2300mに達しているが、養老断層を境として、その西側では急激に浅くなっている。また南の伊勢湾に向かって深く北に向かって浅くなっている。

B中新統の上面深度も、基盤岩類同様養老山地の東側、岐阜県海津町付近において最深部となり上面深度約2000m(最大層厚約800m)に達し、養老断層の西側では急激に浅くなっている。また、層厚は上面深度が深くなるとともに徐々に厚くなり、平野最南部を除き、東及び北に向かって上面深度が浅くなるとともに薄くなり、北部では見られなくなるところもある。

C東海層群の上面深度も、養老山地の東側、岐阜県海津町付近において最深部となり上面深度約900m(最大層厚は約1000m)に達しており、基盤岩類同様、養老断層の西側では急激に浅くなっている。北東に向かって上面深度は浅く、層厚も薄くなる傾向がある。

D第四紀層も同様な傾向があり、養老山地東側、岐阜県海津町付近において最深部となり上面深度が約200m(最大層厚は約700m)に達している。ただし、ほとんどの地域の層厚は200m程度以下である。

以上のように、濃尾平野における基盤岩類、中新統、東海層群及び第四紀層の地質境界面の分布を推定した。しかしながら、深い地質境界に関しては、大深度ボーリングの資料が少なく、さらに反射法断面の深度は断面状ではあっても相対的な形状を示すものであることなど、地質境界の分布は推定によるところが大きく精度が落ちる地域もある。

図4−2−6−1 基盤岩類上面深度分布

図4−2−6−2 中新統上面深度分布

図4−2−6−3 東海層群上面深度分布

図4−2−6−4 第四紀層(海部・弥富層)上面深度分布

図4−2−7−1 中新統層厚分布図

図4−2−7−2 東海層群層厚分布図

図4−2−7−3 第四紀(海部・弥富)層層厚分布図