(2)地層区分の再検討

既往の反射法探査断面での地質解釈結果を参考に、濃尾平野中央部での層区分を再検討した。濃尾平野全体を代表する地質構成としては、第四紀層、東海層群、中新統、基盤岩類の4層があり、モデル化の際にはこれを基本とした。

A) 第四紀層:上記の(A)から(C)は地質学的には第四紀層であり。これらを、沖積〜熱田層相当層、海部累層相当層、弥富層相当層に区分することが可能である。 P波速度はおよそ2km/s前後である。

B) 東海層群上面:平成11−13年度の地下構造調査では解釈されていないが、平成11年度の測線と測線位置が重なる地点で実施された養老断層調査(須貝・杉山(1999))における反射法探査結果(前出の図3−4−7)では、ボーリングデータとの対比を行い、同層を解釈している。その結果を参考にして、平成11年度反射法測線を解釈し直し、さらに交点を通じて平成12年、13年の反射法断面につなぐことによって、3測線全断面の解釈を行った。

C) 中新統上面:大深度ボーリングとの対応、3測線間の整合性がよいので、上記(E)層をそのまま対応させることができる。

D) 基盤岩類上面:反射波が明瞭であり、3測線間の整合性がよいので、既往解釈である(F)層をそのまま採用した。

以上の再解釈の結果を、図4−2−3−1図4−2−3−2図4−2−3−3に示すとともに、3断面内での反射位相の連続性を見やすくするために、フェンスダイアグラム表示を作成して図4−2−4に示す。各地質境界ともに3測線間の連続性はよいことが示されている。

図4−2−3−1 平成11年度反射法探査解釈断面(見直し結果)

図4−2−3−2 平成12年度反射法探査解釈断面(見直し結果)

図4−2−3−3 平成13年度反射法探査解釈断面(見直し結果)

図4−2−4 平成11−13年度反射法地震探査結果のフェンスダイアグラム