3−1−1 地形概要

濃尾平野は、愛知県西部から岐阜県南部に位置し、東西約40km、南北約50km(面積約1,500平方キロメートル)に及ぶわが国有数の平野である。その分布域が美濃国の南西部から尾張国の西半部にまたがることから、この名がついたと言われている。

濃尾平野の西側には養老山地が北北西から南南東の走向で存在している。養老山地の東縁に位置する養老断層は地震調査研究推進本部の長期予測において、地震発生の確率が比較的高い(30年発生確率で0−0.6%:2001年1月1日時点)と評価されている。この養老断層を西縁として、濃尾平野からその東の猿投山山塊にかけての地盤は、東が高まり西が低下する東高西低の濃尾傾動運動が進行している。その結果、平野内の西部では、堆積層が厚く分布し、軟弱地盤地帯を形成している。これに対し、東部では隆起を反映して第四紀の堆積層は薄くなっている。平野の東側は、台地、丘陵地となり、さらにその東には猿投山などの山地が発達している。また、南は伊勢湾に、北は美濃山地に接している。