2−4−2 データ取得作業

図2−4−1にS波反射法調査測線を示した。図中の赤色で示した区間(約350m)に5m間隔で3成分受振器を設置した。これは、この部分には地面(土)が露出している部分が多く受振器の設置に適していためである。発震点は図中青色の○で示した。この図から判るように、発震は主に、受振測線の反対側350m部分で行った。このことにより、測線の中央部分(Loc. No,70付近)で重合数が最大となる。また、最大オフセットは約700mとなる。三成分受振器であるため、水平成分の方向を揃える必要があり、全ての受振器が測線方向を向くように設置した。

S波震源としてミニバイブ1台をS波モードに設定したものを用いた(図2−2−4−2 参照)。ただし、発震点はいずれも舗装道路上であったため、路面保護のため、ベースプレートにはゴムのカバーを施した。S波震源は、クロスライン方向に振動させた(SH波)。

ミニバイブでのS波観測終了後に、大型バイブレータを用いたP波(縦振動)反射法発震を行った。

図2−4−2−1図2−4−2−2図2−4−2−3図2−4−2−4には、それぞれ、VP.60(ミニバイブ(S波))、VP.104(ミニバイブ(S波))、VP.140(ミニバイブ(S波))およびVP.70(大型バイブレータ)のショット記録を示した。表示は各成分毎にされており、左から鉛直成分、インライン方向、クロスライン方向を示している。ミニバイブは、クロスライン方向に発震しているため(SH波)、変換波などの影響を無視すれば、SH成分は、クロスライン方向で受振される。図2−4−2−1のクロスライン受振データには、Loc. No.70〜40(オフセット距離0〜100m)に往復走時2秒付近まで反射波が見られている。一方、図2−4−2−2および図2−4−2−3はファーオフセットでの受振データであるが、これらには、屈折の多重反射と考えられるノイズが卓越しており、反射波は同定できない。また、鉛直成分にP波の初動と考えられる波が得られているものもある。