S波震源としてミニバイブ1台をS波モードに設定したものを用いた(図2−2−4−2 参照)。ただし、発震点はいずれも舗装道路上であったため、路面保護のため、ベースプレートにはゴムのカバーを施した。S波震源は、クロスライン方向に振動させた(SH波)。
ミニバイブでのS波観測終了後に、大型バイブレータを用いたP波(縦振動)反射法発震を行った。
図2−4−2−1、図2−4−2−2、図2−4−2−3、図2−4−2−4には、それぞれ、VP.60(ミニバイブ(S波))、VP.104(ミニバイブ(S波))、VP.140(ミニバイブ(S波))およびVP.70(大型バイブレータ)のショット記録を示した。表示は各成分毎にされており、左から鉛直成分、インライン方向、クロスライン方向を示している。ミニバイブは、クロスライン方向に発震しているため(SH波)、変換波などの影響を無視すれば、SH成分は、クロスライン方向で受振される。図2−4−2−1のクロスライン受振データには、Loc. No.70〜40(オフセット距離0〜100m)に往復走時2秒付近まで反射波が見られている。一方、図2−4−2−2および図2−4−2−3はファーオフセットでの受振データであるが、これらには、屈折の多重反射と考えられるノイズが卓越しており、反射波は同定できない。また、鉛直成分にP波の初動と考えられる波が得られているものもある。