2−3−1 探査仕様

屈折法地震探査は、地層が何層かにわたる成層構造をなしていると考えられる場合に、それぞれの地層境界付近を伝播する屈折波の初動を解析して、各層の速度を求める手法である。新第三系の地層の速度は反射法地震探査の速度解析により推定することができるため、ここでの主な対象は先新第三系の基盤岩の速度である。

屈折法地震探査は、P波反射法地震探査の受振測線を用いたが、P波反射法地震探査側線を東に4kmほど延長した総測線長31.8kmを展開長約14km(以下屈折1)および展開長約23km(以下屈折2)の部分に分け(一部重複)、2晩に渡り実施した。

発震点は、全測線の両端および中間の5ヶ所とした。この内R2およびR3は重複している。以下に、全屈折発震点および受振器展開などを示した。屈折発震点は便宜上、測線東端をR1とし、西に向かって番号を増やした。表7

震源として大型のバイブレータ4台を用い(図2−2−4−1参照)、572チャンネルまたは929チャネルの展開を用いてGDAPS−3型探鉱機でデータを取得した(図2−2−3 参照)。

本調査の測定仕様は次のとおりである。仕様一覧は表2−2−1 にも示した。

[P波屈折法地震探査]

<発震系>

震源  バイブレータ4台

スイープ周波数 6〜30 Hz

スイープ数/発震点 73〜120 回

総発震点数 7点

<受振系>

受振器 SM−7(10 Hz)

受振器個数/受振点 9個

受振点間隔 25 m

総受振点数 572点(屈折1)および929点(屈折2)

受振器総展開長 14.3km(屈折1)および23.2 km(屈折2)

<記録系>

探鉱機 GDAPS−3一式

サンプル間隔 4 ミリ秒

記録長 10秒(R5 は12秒)

チャネル数 572(屈折1)および929チャンネル(屈折2)

展開 固定展開