6−1−4 第4層(Vs 1.4〜2.0km/s層)および第5層(Vs 2.1〜2.5km/s層)

本層は地質的には先新第三紀層で基盤岩との違いはない。ただし、風化・変質の程度により弾性波速度が低下しているものと考えられる。三河地域およびその周辺地域において、本層に該当するデータとしては、KiK−netでのAICH04(安城)の中生代白亜紀の黒雲母片岩(Vs 2.4km/s)、AICH06(渥美)の中生代ジュラ紀〜白亜紀の泥質片岩(Vs 1.9km/s、2.1km/s)、AICH07(旭)の中生代白亜紀の片麻岩(Vs 1.5km/s、2.5km/s)、AICH08(額田)の中生代白亜紀の黒雲母片麻岩(Vs 1.9km/s)がある。

濃尾平野の中〜南部では本層に対応する地層はほとんど認められないか、存在してもかなり薄い。清洲観測井およびアルペン山王の湯では、第4層が30m程度の層厚を有するが、第5層は欠如している。ただし、濃尾平野の北部では両層全体で最大600m程度の層厚を有する。AICH11(春日井)において、第5層上面標高と重力基盤標高の差が440mもあることが影響していると考えられる。

三河地域での両層全体の最大層厚は、岡崎平野で概ね350m、豊橋平野で概ね200mである。また、知多半島南部で800m、渥美半島で350m程度の最大層厚を有する。