5−1−1 使用データおよび座標系

今回の解析に使用したデータは、志知龍一名古屋大学名誉教授(現 中部大学工学部理学教室教授)・山本明彦博士(現 北海道大学大学院理学研究科附属地震火山研究観測センター助手)から提供していただいた重力異常(ブーゲー異常)データである。

ブーゲー異常値は、緯度・経度座標系で与えられているが、重力図(ブーゲー異常図)の作成、フィルタ処理および定量解析等を行うには、直角座標系の格子点での値(グリッド・データ)に変換しておく方が便利である。今回は、緯度・経度座標系から平面直角座標系であるUTM(ユニバーサル横メルカトル)座標系(中央経線:東経135°)に変換を行った後、重み付き2次曲面近似法を用いて一定間隔のグリッド・データに変換した(物理探査学会, 1998)。なお、UTM座標では、X軸を北向き、Y軸を東向きにとり、赤道でX=0とする。

今回の解析領域は、3,822km≦X≦3,929km、640km≦Y≦770kmの107km×130kmの範囲とし、X、Y方向とも格子間隔を500mとした。したがって、全格子点数は215×261=56,115点である。仮定密度(ρ) 2.3g/cm3および2.0g/cm3に対する重力図(ブーゲー異常図)を図5−1に示す。

なお、標高については、国土地理院刊行(2001)の「数値地図50mメッシュ(標高)」のデータをグリッド・データに変換した。