両者の分散曲線はほぼ同様の結果が得られた。距離が500m離れてはいるものの、AICH04はO−3調査地点のアレー範囲内に入っており、微動アレー探査として良好な結果が得られているものと判断される。
図4−4−19 O−3とAICH04 の分散曲線の比較
図4−4−20に、AICH04のボーリング柱状図を示す。この柱状図では、地表から深度300mまで新第三紀東海層群に相当する粗粒砂岩となっているが、O−3調査地点は碧海台地の中心部に位置しており、局所的な地点は別として、一般的には碧海層等の更新世層や完新世層が東海層群の上に堆積していることが十分考えられる。微動アレー探査結果は、O−3調査地点付近の平均的な速度構造となるので、これらの地層が存在するものとして解析・判定を行った。
なお、O−3の観測分散曲線を用いて、AICH04の層構造と同様の6層構造で逆解析を行った結果を図4−4−21に示す。基盤岩より上の300m以浅ではAICH04検層結果と若干の違いが見られるが、基盤岩の深度・S波速度に関しては、ほぼ等しい結果を得た。