・振器が坑井内にあるため地表付近のノイズの影響が少ない。
・動が地表付近を1度しか通らないため、高周波成分の減衰が少なく、比較的分解能が高い。
・度−時間の関係が直接得られる。
一方、
・壁と受振器のカップリングの影響を受けやすい。
・方進行波および上方進行波が混在している。
・ューブウェーブなどのVSP特有のノイズが発生しやすい。
などの問題点も挙げられる。また、VSPは震源の位置によってゼロオフセットVSPとオフセットVSPに大別される。震源近傍で発震するゼロオフセットVSPでは、震源から地中を伝わって来た弾性波の初動走時を用いて深度―時間の関係が直接得られ、これから、地下の速度情報を推定する事が出来る。また、初動以下の波動場を処理することによって、下方進行波(震源から下に向かう波で主に直接波とその多重反射からなる)と上方進行波(受振器に下から入力する波で主に反射波を含む)を分離、反射波の抽出を行うことによって、坑井位置での反射波が得られる。一方、震源を坑井から数百メートルから1〜2km離して発震するオフセットVSPでは、震源と坑井間の反射波が得られる可能性がある。本調査では、坑井位置における時間―深度の関係の抽出を主目的としているため、ゼロオフセットVSPのみ行った。しかしながら、観測中にはチューブウェーブとシグナルとの重複を避けるために震源の位置を調節した。以下に本VSP作業における震源位置と坑井との距離を以下に示す。
震源 震源位置T 震源位置U
ミニバイブ(S波) 7.8m 58m
バイブレータ(P波) 8.2m 58m
これらの関係を下図にしめした。