本年度は屈折法による基盤速度の推定に主眼を置き、入力モデルは、P波反射法から求まった各境界面の深度構造(6層モデル)を仮定して、各層の区間速度のみを変化させ、最もモデルと観測値の走時のずれが少ない速度モデルを最終的なモデルとした。ただし、堆積層の速度については、反射法から求まったものを用い、後続波の説明が出来るように若干変化させた。
屈折法から得られた速度モデルを付図6−4−1に示す。図中の▽印は、反射法結果による速度境界深度を与えた点で、境界面はこれらの点の間で直線内挿している。また、図中の数字は各層のP波伝播速度を示し、数字が書かれている点で速度が与えられ、その間は直線内装している。このモデルでは、表層構造は無視している。
平成11年度に行った屈折法地震探査結果に対しても、6層モデルを用いてレイトレーシングにより速度モデルを推定した。推定された速度モデルを付図6−4−2に示した。
最終速度モデルに対するレイトレーシング結果と実データとの比較を付図6−5−1,付図6−5−2,付図6−5−3に示す。この図は、上から(I)屈折波強調処理後の記録、(ii)観測走時と最終速度モデルに対する計算走時、(iii)最終速度モデルに対する屈折波線、を順に並べて表示したものである。平成11年度の結果を付図6−6−1,付図6−6−2,付図6−6−3,付図6−6−4,付図6−6−5,付図6−6−6,付図6−6−7に示した。