まず、付図6−2のように、受振測線が曲がっており、発震点も受振測線からオフセットがあるものとする。次に、仮想測線を選ぶ。今年度の測線では発震点R6とR8を結ぶ直線で設定した。
この仮想測線上に発震点位置・受振点位置を投影する。発震点−受振点間の直線と投影された直線のなす角度をθとすると、実オフセット距離(X)と投影された距離(X')との関係は、
となる。これに対して、読み取った初動走時の補正(T)を行なう。表層付近の屈折波でオフセット距離が短い場合は、インターセプトタイム(T0)が0と見なせるので、補正された初動走時(T')は、
となる。インターセプトタイムが0と見なせないような第2層以下の屈折波初動(T)については、
として補正を行なう。ただし、cosθが0.99以上であれば、実用上補正は不要と考えられ、第2層以下についてこの補正が必要なケースは希である。
読みとった初動を投影した走時曲線を付図6−3に示す。これには、初動の見掛け速度が示してある。基盤からの屈折波と思われる初動の見掛け速度は、各震源の南側では5000m/sec前後、震源の北側では6000m/sec前後を示している。これは南落ちの基盤構造を反映していると考えられる。付表6−1−1,付表6−1−2,付表6−1−3,付表6−1−4,付表6−1−5,付表6−1−6,付表6−1−7には投影後の初動走時も示した。