3−5−1 ブーゲー異常と基盤深度の関係

図3−2−21には、反射法記録から推定された基盤深度および基盤到達井における基盤深度とブーゲー異常値のクロスプロットを示した。ブーゲー異常値は名古屋大学地震火山観測センター資料より引用した。この図を一見すると、ブーゲー異常と基盤深度の間には一律の線形関係は認められないが、

T 養老断層近傍(5km以内)部分

U 桑名断層近傍(5km以内)部分

V 伊勢湾内

W 濃尾平野南部

(赤い線で囲んだ部分)を除けば、ブーゲー異常と基盤深度はほぼ線形関係にあると考えられる。また、濃尾平野北部(緑の□)、濃尾平野中部(青い□)などの様に地域を区切れば、よりばらつきの少ない線形関係が認められる。例えば、濃尾平野北部では、

基盤深度(m)=−51.8*重力異常(mgal)−392.92    (3.5.1)

の線形関係が得られている。上記の内T、UおよびVは急激な構造変化のためブーゲー異常値が直下の構造以外の影響を含むためと考えられる。Wについては基盤密度の変化や、基盤より深い部分の影響、近傍での構造変化の影響などが考えられるが、詳細は今後の構造探査に委ねられることになろう。ただし、この部分に於いても重力異常から推定された基盤深度と、反射法などで得られた基盤深度の間には、±100m程度のばらつきがある。