各種法は解析対象の違いもあるために一概に優劣を付けがたいが、都市部において20km以上に亘り、深度2kmまでの先第三系基盤の深度と形状およびその上部の堆積構造を明らかにした点において反射法は評価できる。また、反射法と屈折法を組み合わせることにより、効率的に広域の基盤速度が推定できることが判った。反射法で得られた結果と地質層序を結びつけるためには、ボーリング調査も重要である。
S波探査については、平成12年度に弥富町の富浜緑地で行った探査において基盤までの反射波が確認された。この際、同一測線でP波震源によるP波探査も平行して行うことがS波の速度解析精度を向上させるためには重要である。しかしながら、一般には、堆積平野に於いて基盤までのS波の反射波が得られるのは困難である。また微動アレイについても、現段階では観測点間の対応付けなどの検討要素が残されている。したがって、S波探査については,反射法地震探査、微動アレイ探査、VSPなどを複数組み合わせる必要がある。