・P波、S波ともに深度約1500mの基盤までの反射面が捉えられた(図3−2−8)。ただし、S波については深部のS/Nは不十分であり、深度1000mを超える領域では、震源エネルギーや重合数の増強が今後必要と考えられる。
・S波深度記録とP波深度記録との反射波の対応は比較的良い。ただし、深度200〜400mで認められるように、P波では多数の反射面が存在するがS波では認められない区間もある(図3−2−6および図3−1−8)。C層上面に対応する第3礫層は濃尾平野内での代表的な被圧帯水層であり、流体の影響の可能性も考えられる。
・S波の基盤付近の速度解析の精度はやや落ちるものの、P波記録との反射面との比較(図3−2−6)により、速度を絞り込むことが可能である。S波速度は0.3〜1.2km/sec、P波速度は1.4〜2.7km/secを示す(図3−2−7)。
・S波反射法速度解析の結果を、同測線上でのP波速度解析結果とともに示す。ここには、前述の層区分と層序も示した。