3−1−6 PS検層等による速度構造
名古屋市域においては比較的多くのPS検層が実施されている(土質工学会中部支部, 1988; 飯田・正木, 1976, 1978; 飯田・正木ほか, 1979)。これらの結果は最新名古屋地盤図(土質工学会中部支部,1988)にまとめられており、これによれば、名古屋市内での表層のS波速度は北東部から南西部に向かい、250m/sから100m/sへと小さくなる傾向がみられる。さらに、これらのデータから地層別のS波速度も推定されている(表3−1−3)。濃尾平野周辺で中・深部を対象として実施された速度検層やVSPは、名古屋市中川区山王の温泉ボーリングでの山口ほか(1999)による結果と岐阜県羽島市下中町に掘削された防災科学技術研究所の高感度地震観測井での結果があるのみである。