3−1−2 重力探査による深部構造
濃尾平野周辺の重力異常図(図3−1−4)によれば、平野下の重力トレンドは北北西−南南東であり、尾張丘陵から養老山地に向かって負の大きな異常を示し、特に養老山地の東側の岐阜県養老町、海津町付近でクロージャーを形成している。この西側は養老断層を反映して重力コンターも急傾斜を示している。名古屋市よりも南方では、重力トレンドは北東―南西方向を示している。名古屋市内においては重力トレンドは北北西−南南東であるが市の南西側で重力コンターが密になっていることが特筆され、基盤構造の大きな変化が類推される。また、丁度この付近は、北北西―南南東方向と北東―南西方向の二つのトレンドの境界部にあたっている。飯田・青木(1959)はブーゲー異常をもとに基盤深度を推定しており、これによれば、基盤深度は本年度調査測線北端では約1500m、南端では約2000mに達する。