本調査は、濃尾平野中央部で反射法地震探査、屈折法地震探査、観測井掘削およびそれを用いた物理検層およびVSP、微動アレイ探査を実施し、その結果と既存資料を基に地下構造の解析を行ない、地震防災対策の基礎資料を得ることを目的として行われた。本調査は2年計画で実施しているものであり、本年度はその2年目にあたる。
当該地域の深部基盤岩の構造形態を確認するための手法として、大型のバイブレータを震源とする反射法地震探査を実施した。
深部基盤岩のP波速度を求める手法として、大型のバイブレータ4台を震源とする屈折法地震探査を実施した。
また、S波速度構造を求める試みとして、S波ミニバイブを震源として三成分受振器によるS波反射法地震探査を局所的に実施した。
西春日井郡清洲町に観測井を掘削し、詳細な地質層序区分を得ると共に、坑井近傍の各種の物理量を推定するために、物理検層およびVSP法調査を実施した。なお、観測井掘削および物理検層については別報告書にて詳細を報告する。
また、濃尾平野下12の地点において微動アレイ観測を行い、各点でのS波速度構造を推定した。
調査は平成12年6月より開始し、平成13年3月に終了した。地震探査の現場作業は平成12年10月に、VSP調査は平成12年12月に、微動アレイ探査は、平成12年9〜10月および平成13年1月に実施した。
調査の実施にあたっては、「濃尾平野地下構造調査委員会」を設置し、調査計画、調査結果の評価等において、専門的・技術的指導および助言を受けた。