6−1 濃尾平野を構成する地盤

濃尾平野の地盤は、上位より第四紀層、東海層群、中新統、基盤岩である中古生層あるいは花崗岩類が分布することが知られている。調査を実施した地点におけるそれぞれの境界深度は、掘進状況、掘削に伴うカッティングスの観察結果およびコア分析から以下のように考えられる。

・第四紀層と東海層群の境界:200.7m付近

・東海層群と中新統の境界 :631.0m付近

・中新統と基盤岩の境界  :661.0m付近

これらの境界深度は、ノンコア掘削であるため、調査結果としては曖昧な深度であることは否めない。しかしながら、第四紀層と東海層群の境界と考えられる200m付近に、含まれる礫種について明瞭な不連続が認められ(図5−2−1)、堆積環境(水系など)の変化があったことは明らかである。中新統と基盤岩の境界は、着岩に伴う掘進状況の変化(図4−1−5)および含まれるカッティングスの変化(ボーリング柱状図参照)が明瞭であり、これらの境界深度については、誤差は小さいと考えられる。一方、東海層群と中新統の境界は、掘進状況の変化はなく、カッティングスの観察結果から推定したものであり、科学的根拠に乏しく、参考値としての報告に留めたい。