(1)土の物理試験

土材料は、以下の図4−2−3に示すように土粒子・水・空気の三相から成り、それぞれが構成する比率の程度や、土粒子の物理的性質によって土材料の圧縮性や強度特性が大きく異なる。

図4−2−3 土の相構成

構造物基礎や土構造物を建設する際には、土材料の諸性質を明らかにし、適確な地層区分をすることが設計、施工にとって不可欠な条件である。

以下に今回計画した物理試験の概要を述べる。

A)土粒子の密度試験

土粒子の密度(ρs)は次式に示すように土粒子全体の平均的な密度を表しており、土粒子を構成している鉱物や有機物の種類と量によって異なる。

式4−2−3−1

土粒子の密度は、飽和度や間隙比などを算出するに必要な値であり、ここではJGS T 111に準じて試験を実施する。

B)土の含水比試験

土の含水比(w)は、土塊を構成している土粒子・水・空気の三要素のうち、水と土粒子重量比を百分率で表したものである。

式4−2−3−2

試験方法は、JGS T 121に準じて実施する。

C)湿潤密度試験

土の湿潤密度(ρt)は、単位体積当たりの質量をいい、以下の式で表される。

式4−2−3−3

土の湿潤密度は、地盤物性を評価するうえで重要な値であり、数値解析上の必要不可欠な入力項目である。ここでは、JGS T 191に準じ、試料の乱れた部分を取り除いて作製した円柱状の供試体を用いる。