(2)5インチケーシング(設置ケース含む)挿入前後の掘削工事

A) 最終掘削深度739mより8m上の深度731mまで7 5/8″トリコンビット等で掘削し、この後、最終掘削深度までの間でコア採取を実施した。コア状況については監督員に報告し、堀止を決定した。

B) 掘り止め決定後、最終掘削深度739mまで7 5/8″孔に拡孔した。

C) 方位設置機構、非磁性ケーシング管及び台座から構成される設置ケースとチュービングサブ(図4−1−7)を5″ケーシング管先端に取り付けた。

D) 5″ケーシングをセメンチングする。

(a) ケーシング管挿入後、掘削孔内の掘削泥を完全に除去するため、清水で洗浄した後、ウェルクリーナー溶液を先行液として管内に注入し、12時間放置し清水で再洗浄後セメンチングを実施した。

(b) セメンチングの方法は、ケーシング内にセメントが残らないようにチュービングを使用してセメントスラリーを送る工法を用いた。

(c)セメンチングに用いるセメントスラリーは、普通ポルトランドセメントに膨張性添加剤(ジプカル同等品)を調合したものを用いた。セメントスラリー組成は、重量比で普通ポルトランドセメント:水:膨張性添加剤を1:0.55:0.03とした。

(d) セメントスラリーは調合する毎に供試体1個以上サンプリングを行った。

(e) セメントスラリー量は、孔径、管径、深度より計算した量の2倍を送入総量として準備し、チュービングを通して送入したセメントスラリーと同質のものを送入し続け、孔口に達するまで確認した。

(f) 5″ケーシングのセメンチング後、直ちに清水を循環し、管内のセメントスラリーを排除した。

(g) セメントスラリーの硬化後(供試体を参考)、5″ケーシング内全管長(ただし、非磁性管以深を除く)にわたりケーシングスクレパー(住友コンサルタント製:SMCSシリーズあるいは同等品)によってケーシング管内の残存セメントおよびその他の付着物を落とし、清水を循環させて沈殿物を取り除き防錆剤を添加して管内の水と置換した。循環した清水に固形物が残らない状態まで井戸の洗浄を実施した。

図4−1−7 設置ケースおよびチュービングサブ